七宝焼アーティスト 斉藤芳子 || 七宝焼アトリエCOCO

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アマゾン イグアスにて

七宝工芸作家 斉藤芳子

 いよいよ世界最大の滝を見にサンパウロから空路3時間、イグアスに行く。トロッコのような電車に乗り、降りるとカラフルな様々な形をした蝶のお出迎えだ。群れをなしているものもいて、こんなに大量の美しい蝶を見るのは初めてのことだ。20分程度歩くとゴーゴーと滝の音。用意したカッパを着ていよいよ世界一の滝を見る。悪魔の喉と言われる中央の色の黒ずんだところの手前に大きな虹がかかっていた。水しぶきを浴び、スケールの大きな自然と一体になれるような気分。壮大な景色が広がっている。
 次にイタイプという巨大ダムへ行く。イグアスからバスで30分程度行くと世界最大の水力発電所イタイプーダムに行ける。この発電所の施設の巨大さはあまり大きくて何と表現していいかわからないほど、これほどまでに大規模なものを作るとは人間の力はなんと凄いのだろうと思う。300メートルの高さから何本も落ちる水の近くに車がまるでアリのように小さく走っている。

■イグアスにて
 ブラジルの挨拶は、こんにちはは「おい!」だ。アルゼンチンで牛のことは「バカ」と言い、ニンニクのことは「アホ」と言う。とても面白い。  
 夏の終わりにチップワナという黄色い花が咲くと、その花粉のアレルギーが人々を苦しめる。日本のスギ花粉のようなことが、ここでも起きているのだそうである。

■面白い話を聞いた
 アマゾンの川で捕れるデイスカスという魚がいる。その魚の特別なのは形が円盤形であることや、色がカラフルなこと、それ以上に捕獲すると非常に臭い異臭を発する。獰猛なピラニアや、それ以上の猛魚ピランベーバーなどと同じ川に住むには、他の魚もこれぐらいの自衛方法がないと生きられないのかもしれない。
 日本からブラジルへの移住が始まったのが1908年。今から100年以上前である。笠戸丸に乗りサントス港に向かって2か月近くかけて来た人々の苦労と夢と勇気を思う。 入植してからコーヒー園やジャガイモ作り、またジャングルの開墾とどんなにか1世は重労働であったことか。アマゾンの近くではマラリヤで亡くなった人も大勢いたとのことである。日本に帰るお金もなかったとか。
 私たちがイグアスの滝を見るためにサンパウロからアマゾンへ向かって、まずはじめに泊まったのが何と5つ星ホテル。ホテルに着くなりカイピリーニャ(レモンを潰してブラジルのお酒と砂糖を混ぜたもの)のおもてなしを受け、豪華な部屋に通された。夕食はバイキングの食べ放題だが、昼食はない。サイフの中身を気にしながら昼食のヒレ肉のステーキに舌鼓を打つ。
 ホテルの中央にあるプールの近くにイチジクのような実が1000個ほどついている樹があり、その実が枝先ではなく根から幹にかけて、本体のびっしりと付いているのが気持ち悪い。この実は食べられないそうである。ホテルの庭先には小さなハチドリが花々の間を飛び交っていて、とてもかわいらしい。

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