七宝焼アーティスト 斉藤芳子 || 七宝焼アトリエCOCO

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キャラバンサライとコーカンドフェスタ

2019年秋

七宝工芸作家 斉藤芳子

今回の旅は嵐の中から始まり、今までにない多くの試練を乗り越えなければならない旅となりました。

 ■タシケントに向け出発
 9日1:20に成田発、3:50にインチョン(仁川)を出て、タシケントにその日の夜20:20に着く予定でした。飛行機の遅延で乗り継ぎが間に合わず、ソウル泊。この日の宿は今回の旅で一番値段が高く、一番悪いホテル(トランジットホテル(※))だった。
 翌日はアシアナ航空からウズベキスタン航空に変更をされ、昼頃にタシケントに到着しました。平山郁夫国際文化キャラバンサライのウスマノフ館長の顔が見えたときは本当に嬉しかった。ウスマノフ館長は、知らぬ間に再婚をしていて、2か月のファーランギースちゃんという赤ちゃんまでいました。奥様のグリラノさんは36才だという。
 (※)空港のターミナル内にあり、海外からの乗り継ぎ時に、出入国手続きをせずにそのまま宿泊できるホテル。

■コーカンド
 コーカンドはウズベキスタン東部の都市で18~19世紀のコーカンドハン国の首都だったところだ。山の上には雪。コーカンドは最高気温が24℃、最低気温が12℃くらいで、ちょうど軽井沢とおなじような気温。ヒツジの群れ、ロバ、牛、野天掘りで鉱物を掘っているなど、その広大な風景はまるで西遊記の世界を見るよう。ウズベキスタンの多くの車はメタンガスで動いているので、ガソリンよりずっと安い。
 コーカンドへは料金が少し高めのAクラスの列車で移動する。テーブルを挟んで合い向かいで座る。テーブルはすごく大きい。リクライニングで足が伸ばせる。前の席は人の好いポリスたち。4時間の移動を、片言の英語と身振り手振りで交流をし、楽しいひとときを過ごす。

■ビエンナーレ
 今日のビエンナーレには若い日本人男性のタタミ職人も参加をしていた。タタミデコモノというのでネットで検索すると出てくる。
 飯沼賢一さんは共同通信のモスクワ支局の方でロシアから来られたそうだ。せつ子デローラさんはユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の方で会期中はずっと着物を着ていた。500ドルも皿を買ったそうだが、運ぶのに重くて大変だと思う。彼女は着物の本を外国で出版している。彼女のお付きの方はFuad PASHAYEV氏。Walker・ミナ子さんは陶芸家として参加していた。主に書き割の皿を作っている。ボランティアの男性、アーユープーホンさんは日本語学校に入る予定だそうだが、それには80万円ほどのお金がいるそうだ。
 今回の旅では何と言ってもサボハトさん(女性)に助けられた。彼女のお陰で彼女の英語の生徒である、花ちゃんというチャーミングな学生にも出会えた。サボハトさんは大学院の英語の先生。ザワさんと親しみを込めて呼んでました。花ちゃんとグルミラさんがボランティアで日本人のお世話をしてくれました。

■リシタンにある日本語学校、NORIKO学級
 リシタンあるNORIKO学級は建設機械大手コマツのエンジニアだった大崎重勝さんが自動車工場で重機操作を指導するため、ウズベキスタンと日本を行き来していた。その大崎さんが退職金を元手に、妻の紀子さんと1999年に開いた日本語学校です。学校名は、紀子さんから取ったそうです。今はガリシエル校長がその意思を受け継いで運営をされている。ここに私たち二人は1泊した。今回の旅をご一緒した新井さんは太極拳を教え、私は日本のいろんな話をしました。小さい子のクラスと大きな子のクラスがある。小さい子のクラスは眼を輝かし熱心に聞いてくれ、とてもやりがいがある。もっと時間がほしかった。今までこのような子どもの中から日本の大学に入ったり、重要な仕事に就いた子も出ているらしい。ノートが真っ黒になるくらい隅々まで日本語が書いてある。ノートをたくさん送ってあげたい。

■古き良きウズベキスタンホテル
 朝のチェックアウトは12:00なので食後にウズベキスタンホテル前の広大なアミール・ティムール広場をティムールの騎馬像まで散策する。ティムールは14世紀に中央アジアから西アジア一帯を征服したウズベキスタンの英雄。
 11:30にチェックアウトしてホテルの前に出ると派手な観光バスとタクシー乗り場があります。タクシーの運転手にキャラバンサライまで相場の5,000スムを出すと、「40,000スムだ。そんな小さな金ならバスに乗れ」と言われる。その後、青年の車が止まり、15,000スムを出すと、喜んでキャラバンサライまでの道も電話で確認をし、親切に乗せてくれた。車のフロントガラスは割れていたが、彼は親切で、英語も話せ、彼の父親は教師で、母は医者だと教えてくれた。

■キャラバンサライでの七宝教室
 今日は七宝を教える日。明日はいよいよウズベキスタンの最終日だ。キャラバンサライでありあわせの昼食を急いで取る。砂糖ではないかと思えるほど甘いブドウに、スペインオムレツ、そして日本から持っていったマルちゃんのタヌキうどんだ。七宝教室は10名ほど。ブローチやネックレスを焼成。フリット七宝と金のディカルケの方法を教える。無事完成したあとに、この文化センターでお茶のクラスを学んでいる数人がお抹茶と手作りのボタ餅を持って来てくれる。体に沁みわたる。日本のものは心を休めてくれる。あんこの豆は中国のお店で買うのだそう。この日に参加した日本人の村西なおみさんはサンドアート作家で、北海道から来たそうだ。

■ウズベキスタン最終日
 今日はバザール(市場)に11:30頃に行って、あとは帰りの支度だけ。NORIKO学級にあげるものを詰めておく。今日はウズベキスタンの日本大使館から女性が見えていたので、私の作品集を差し上げる。その後、スーパーマーケットに行き、ジュース、ヨーグルト、パン、お茶などを買う。このような日用品はとても安く、日本でアルバイトをして、ウズベキスタンで暮らすのも良さそうだ。今夜の宿の代金は素泊まり二人で3,500円。別に税が4ドルかかる。日本で支払いは済ませている。バザールではスムが通用するので、二人ともスムが残って良かった。

■帰りの飛行機の中でびっくり
 ソウル行きの帰りの飛行機の中で何と隣の席が、シンガポールのIKKO(イッコー)さんこと、キム・チョーさん。テキスタイルデザイナーで、顔も体格も瓜二つ。カタコトの英語ながら楽しくおしゃべりして、写真を撮り合い、いつかシンガポールに行ったら必ず訪ねると言って別れる。ネットで調べてみたら、とってもステキなレースの店を街の中心に持っているみたい。私も若き日はレースのテキスタイルデザイナーだったので、この出会いはとても嬉しい。
 ソウルで6時間待ち。時間があまりにもあるので一人でパラダイスシティに行く。ここはインチャン(仁川)国際空港よりバスで5分のところ。絵画が2,000点ほどあり、その中の8点は世界的なアーティストで草間彌生のカボチャもある。インチャン(仁川)国際空港に行くことがあれば、ここは絶対にオススメのスポットです。カジノもあります。

■メモ
●今回の旅はザワさん(サボハトさん:大学院の英語先生)と花ちゃん(サボハトさんの生徒で名前はグリルヒさん)に救ってもらった旅でした。
●ウズベキスタンの男性は末っ子が親の面倒をみる。財産は末っ子のところに全部行く。
●今回は1ドル108円
●ウズベキスタンの男性はスープを飲まない。水もあまり口にしない。また、冷たいものも好まない。
●タクシーはふつう3キロくらいで50円(5,000スム)空港までは150円くらいのはずが、一緒のホテルの女の子は7ドル(800円)取られたとボヤいている。
●花ちゃんにまた会いたい。福島に1ヶ月いたことがあるそう。
●せつ子デローラさんいわく、スイスの税金はとても高いそうだ。彼女の夫は有名な画家だそうだ。
●最後の夜のラカットホステルモキャラバンサライに近く、広い部屋でとても良かった。
●とってもアットホームなコーンカンドーのホテル(ホテルコーカンドーの近く)
Familyguesthouse in city center
住所 25jahon 0tin street 3.100500 kokando
電話 +998905667496

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